たくさんの「夢」と「アイディア」がつまった家
「普通の家で良いです。」
そこから始まった家づくりでしたが、話し合っていくうちに、ご家族が持つ、たくさんの「夢」と「アイディア」を発見できました。
敷地内には母屋があって、今回は「はなれ」を建て替えました。
ご両親は「母屋」に、子ども世帯は「はなれ」で暮らします。
2年間じっくりかけて少しずつ夢を積み上げ、その夢をカタチにした素敵なお家になりました。
1階と2階にいても、母屋とはなれにいても、「お互いの気配」を感じながら暮らしていけるとても良い家です。
1年かけると季節に合わせた意見も出てきます。お金を掛けなくても時間は掛けるべきなのだと、私たちも改めて気付くことができました。
建築用木材にもこだわり、国産材100%、そのうち50%は地元岐阜県産材を使い、とても居心地の良い住まいになりました。
この家は同じ敷地内で庭を母屋と共有しています。そこで、母屋とつながる場所としてウッドデッキを作りました。
庭も眺められ、母屋の気配もわかります。
「おはよう」の声も届きますね。
リビングは2Fまで吹き抜けになっています。街中に建つコンパクトな家なので、すこしでも開放感をとの配慮です。 吹き抜けは2Fホールにつながっていて、ホールでパソコンしているご主人や、勉強している子どもの気配がわかり、お互い声も届きます。
家具は、家を建てた大工さんの手作りで、それぞれの部屋の雰囲気に合わせてオーダーメイド。 家具屋さんに作ってもらうより低価格で質が良く、丈夫で長持ちするので、おすすめしています。
可動ルーバーの雨戸は施主さんのこだわりリクエスト。道路に近いので、ちゃんと目隠しをしながらも、光と風をコントロールできます。 少し高価でしたが、この場所で安心して暮らすには欠かせない設備となりました。
(商品名:ブラインドシャッターサンシャディ/メーカー:オイレスエコ)
キッチンカウンターのコンロの前はガラスで仕切ってあります。
普通は汚れ防止のために壁にしてしまうところなのですが、奥さんが台所でひとりぼっちにならないように、との優しい配慮です。
ガラスの仕切りで汚れを防ぎつつ、家族の様子が見えます。ちなみに、リビングのテレビもキッチンから見れちゃうんです。
コンロは、ホーローのトッププレートにしました。
最近はガラストップのコンロが多いのですが、実は、色や質感が合わないものが殆どなのです。
人造大理石の白い天板と、白いホーローのトッププレートはとてもマッチして、なじみがよく違和感がありません。
キッチンがやさしい雰囲気にまとまりました。
キッチン奥の扉は、階段下のスペースを有効利用した収納庫で、食品などをストックできる工夫もかくされています。
2階ホールは、お父さんがパソコンや読書をしたり、子どもが勉強したりなど、自由に使えるオープンスペースです。 吹き抜けを介してリビングと繋がっているので、プライベートな自分の時間を過ごしながら、ひとりぼっちにもなりません。
南の窓は、あえてほどよい大きさに抑えてあります。そのわけは、付近は将来マンションが建つ可能性が考えられたから。今のところは大丈夫なのですが、そうなったときを考えての配慮です。
ベランダドアの前の天井に、物干し竿をかけるフックが隠してあり、物干し竿をかければ物干しコーナーに早変わり。通路ではない袋小路なので通行には差し支えがなく、吹き抜けから暖かい空気が循環してくるので洗濯物がすぐに乾きます。高いところにあるので、洗濯物が目に入らないのもグッドです。
このスペースは、奥さんが花粉症であること、共働きであることから生みだされたアイディア。花粉の季節や梅雨の季節には大活躍まちがいなしですね。
2階の天井は、母屋への陽当たりのために下げた屋根。最大限に活かすために勾配天井にして、広い空間を確保。
落ち着いて眠れるように、壁の色を少し濃いグレーにしました。このグレーが「ウッド」を引き立たせてくれて、天然木を使っていながらも、とてもモダンな空間に仕上がりました。
外壁は玄関周りを板張りにしました。街中にあり、道路から近いので、来訪されるお客様を柔らかい表情で迎えられるように考えました。
屋根の形は、母屋の陽当たりを遮らないように考えてあります。ちょっとした気遣いを形にしておくことで、親子でずっと仲良く暮らしていけるのではないでしょうか。